昔も今も、恋の世界は変わらない。男と女、たとえ役者と大奥につかえる身の女性であっても、所詮恋は恋。
人は生きて恋してこの世を去っていく。
江戸の中期、正徳四年一月のことである。
七代将軍・家継の生家月光院の代参として芝増上寺に参詣した絵島は、帰城の門限が過ぎていたのに帰らなかったため、
御法度の情事が発覚してしまう。江戸を騒がしたスキャンダルの相手が、この生島新五郎であったのだ。
大奥女中と二枚目役者の新五郎。
タブーを破った絵島は信州高遠家お預け、新五郎は伊豆新島へと流罪となり、二人は離ればなれになってしまった。
新島に眠る新五郎の墓は、後に建立しなおされたといわれる。
本来なら、絵島と並んで祀られてもよいのだが、幕府社会のタブーの方が優先され、崖っぷちに淋しく祀られている。
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