賀茂真淵の弟子であった父の志を受け継ぎ、白川神道の流れをくむ神道禊教を開祖した人物である。
幕末に流行した新しい宗教の一つで、江戸の武士や農民の間にひろがって行き、多くの信者を集めた。
人気が高まるにつれ幕府からの弾圧が厳しくなり、禊教は「世を惑わす異学異説」とされて、ついに五十二歳で流罪となる。
島では、病人の治療や養蚕の指導、水源の開発等の数多くの業績を残し、没時は流人には禁止されていた葬儀が特別に行われた。
楔教はその後も高弟によって護られて、東京上野に祀られた井上神社は現存している。
自然石で本名墓というのは、宗教人としては珍しい。ソテツや小潅木に埋まって、岡の上に隠れる如くに祀られている。
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