
開国のため、公家たちを説き伏せ、自ら日本の近代化への道標となった象山。彼は身長が五尺七、八寸あったといわれ、当時の日本人としては背が高く、大きな体躯であった。体だけではなく、学問の方も抜きん出ている。勝海舟の世界観を一歩先んじていたし、吉田松陰の国禁を犯す密航の手引きをしたのも彼だ。オランダ語が必要と思えば、二ヶ月でマスターしてしまう天才ぶりで、ガラスの製造から砲術、砲の鋳造など、あらゆる分野で活躍した。
しかし、彼の少年期は、学問とはおよそ縁がない。乱暴で喧嘩好き、口論好きで血を流さない日がないぐらいの悪童ぶりだったといわれている。神童と悪童の間で、奇人のごとき振る舞いを繰り返した象山。彼の自信は、日本には自分より偉い人物はいないというほどのものだった。優秀な種族を増やすことは、国家に忠義を尽くすことだからと、友人に対して自分に妾を世話しろといっていたという。象山の縦横無尽さをあらわすエピソードである。
墓は生きてきた人の生前に似た姿を見せつける。巨石の墓は、象山にぴったりだ。
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