
平賀源内ほど多種多芸の奇才はいまい。医者、発見家、市井の科学者、企業コンサルタント、鉱山技術者、劇作家など、計り知れない向学心と探究心旺盛な人物である。彼の父は高松藩の一人扶持切米三石の蔵番で、薬園掛の足軽だった。幼年期から素晴らしい頭の持ち主で、十九歳で藩命を受け、長崎そして江戸に遊学させられるようにまでなった。
が、故郷に帰らなかった源内は藩主の逆鱗にふれ、他の藩への奉公すら禁じられ、文字通り素浪人となり、失意の歳月を送った。しかし、このどん底が彼を発奮させ、劇作第一作『根無草』、浄瑠璃本の処女作『神霊矢口渡』などを書いて、あれよあれよという間に人気作家となった。このまま作家活動を続けていたら、きっと名作を残したことだろう。
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