赤穂浪士討入りのため、大量の武器を調達したのが天野屋利兵衛である。いわば忠臣蔵の影の英雄といえる人物であろう。ただし、実在したかどうかについては、はっきりしていない。
利兵衛は、赤穂の浅野家に出入りする商人で、家老の大石良雄から絶大な信頼を寄せられていた。妻子にさえ秘密にしていた仇討ち計画をうちあけられた利兵衛は、大石良雄に協力し大量の武器を調達にかかった。しかし、一介の商人が大量の武器を注文するなどおかしいと、役人に捕らえられて拷問を受ける。それでも利兵衛はひるむことなく大見得をきった。
「天野屋利兵衛は男でござる」
芝居や講談で有名な一場面である。
実は、大石良雄が利兵衛の本心を知るために利兵衛を捕らえさせたともいわれているが、とにかく、利兵衛は牢内で討入りが成功したことを知ってから、初めて大石良雄の名を口にしたという。
巨石の囲い墓は、秘密を守り通した男の心情をあらわしているようだ。
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