
『銭形平次捕物控』は、作家野村胡堂の作品である。しかも四百話近くあり、いかにロングランのネタであったかがわかる。主役の大川橋蔵も、全部演ずることなくして他界してしまった。
岩手県出身で、村長さんだった父が大変な蔵書家であったという。盛岡中学の同期生に石川啄木や金田一京助がいたそうだ。東大法学部を卒業して報知新聞社に入社、三十年間も記者生活をしていたが、そのつれづれに『オール読物』の初号に捕物控をたのまれ、四百話が自然にできてしまった。「もうこれで、何も思い残すことはなくなった」といって、八十歳の頃、生涯かけて集めたレコードを東京都に寄付した話は有名である。
音楽評論家としては、『ロマン派の音楽』『バッハからシューベルト』『音楽は愉し』等の著書があり、“あらえびす”のペンネームで、報知新聞に音楽漫談を連載していたこともあった。また、私財を投じて、育英奨学金と学問の研究助成を目的とする野村学芸財団を設立した。
墓は広々とした墓地を持っていて、二つの家系を祀ってある。
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墓地所在地は、変更になっている場合があります。
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