
あの目のギョロギョロした小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)、彼の作品『怪談』から<耳なし芳一>が今にも出現しそうな雰囲気だ。
ラフカディオ・ハーンは、ギリシア生まれのイギリス人である。
明治二十三年に来日した。六歳の時、父母の離婚のため叔母の手で育てられた。
イギリスやフランスで教育を受けたそうだが高等教育を受けたわけではなかった。
二十歳で渡米し記者となり、西インド諸島に関するルポルタージュで名をあげた。
日本に来たのも一時期のつもりだったが、日本文化に興味を持ち、永住することになってしまった。
それほど日本文化の世界へ、身を入れ込んだ。特派員の手当も棒にふり、最初の生活が島根県松江中学の英語の教師からだった。
そしてまた身の廻りを世話していた松江藩士の娘、小泉節子と結婚し、明治二十六年日本に帰化した。
帰化してからのハーン、彼の文学は、『知られざる日本の面影』、『心』、『日本お伽噺』、『怪談』など、日本を深い愛情で見つめたものが多く、正確な理解で、日本の姿を世界に紹介している。
しかし、熊本の第五高等学校の教授から東京大学に迎えられ、日本の英文学への貢献をしたものの、学歴が不充分ということで東京大学を追われた。ハーンの死後十七回忌のときになってから、日本に対して尽くした間接の功を賞して、従四位を贈られ、彼はたたえられた。
その彼の墓もまったくの日本調である。
戒名 |
正覚院殿浄華八雲居士 |
玉垣 |
無 |
職業 |
明治時代の小説家・英文学者 |
境石 |
10cm |
没年齢 |
55歳 |
竿石 |
120cm |
所在地 |
東京都豊島区・雑司ヶ谷霊園 |
石質 |
灰色系 |
墓の方位 |
南 |
墓のスタイル |
細長い竿石 |
正面入り口の方位 |
南 |
台座 |
1段・高さ35cm |
|
1987年現在の資料に基づいております。